競泳水着の進化
競泳というと、この水着のイメージの方がいまだあります。
通常「ブーメランパンツ」と言われる、水着でした。
1990年代のトレンドです。
タイムを出すため、小さめを履くというのが選手の考えでした。
半分くらいお尻が見えてる方がいいと言われていた時代です。
それは、水着の面積=抵抗と考えられていたからです。
水着の素材が水を吸収してしまうため、重くなるというのもあると思います。
ですが、2000年になり、スパッツ、フルレッグ、全身水着の時代が到来します。
面積が小さめの水着よりも、水と相性の良い素材を使い、なおかつ、水着で撥水をし、抵抗を減らすという時代にシフトしました。
これは、「エールブルー」です。
懐かしいモデルだと思います。
素材、形態を自然動物を参考に、開発されたと言われています。
この、エールブルーはカワセミがモデルとなりました。
これによってか、世界新記録が13個も更新されたと言われています。
スパッツだけではなく、全身水着を着た「イアンソープ」選手が到来したのも
この世代です。
つまり、泳法中における、前面部からの体の面積を減らすという理論がトレンドとなりました。
そして、2008年に水泳界に衝撃がはしりました。
ラバー素材が使われた水着が登場したからです。
「レーザーレーサー」という革命的な水着です。
何が違うのか、というと
このラバーという素材を使うことにより、浮きが非常に良くなり
抵抗が減るのです。
また、水着自体により、体を引き締めて、抵抗を減らすという
発想も合わせて出てきたのがこの時代になります。
この、水着の進化によって世界新記録がバンバン出ました。
25個も更新されたんです。
いまだにそのタイムは破れないという言われているレコードもあります。
また、インポッシブルレコード(絶対に破れない記録)もレーザーレーサーによって、塗り替えてきました。
例えばイアンソープ選手の記録を抜いたフェルプス選手のレコード。
日本人で言うと内田翔選手の200mfrレコード(この記録は萩野選手が塗り替えました。)。
ただし、この水着が2010年に禁止されてしまいました。
というのはこの水着がすごすぎて、水着の選択肢が一つになってしまったからです。
他社と契約する選手は、この水着が使えません。
また、非常に高価な水着なので、頑張って買える人ではないとこの水着には手が出なかったからなんです。
ラバー素材が禁止され、布素材のものだけになりました。
従来の引き締め効果は採用しつつ、新しい効果を採用しました。
それは、①キックの補助(サポート)効果、②下半身への浮きあげ効果(骨盤矯正による効果)
以上により、現在の水着ではこの2点が売りとなっている商品が多数メーカーさんから発売されています。
レースにおきましては間違いなく、水着による恩恵がありますので、どのような特性があるかということを理解することはひじょうに大切であります。
ここで説明していない
各社ブランドもそれぞれ差別化するための強みを持って発売されています。
興味がある方は、ぜひともお問い合わせください。
0コメント